夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
だから、つい……。つい、私は知らず知らずに彼女に嫉妬して冷たく接してしまった事もあった。
そんな相手とこうして手を取り合って何かをやり遂げるなんて……。人生、本当何が起こるか分からないわね。
でも、それもここまで。
彼女が自分の子供と暮らせるように、もう解放して……。
「ーーアンナ様。お願いが、ございます」
「?……なに?」
それはディアスを解放し、後は一人で始末しようと思っていた矢先だった。
突然のお願いに少し驚きつつも、これまで様々な事に縛られて……。そして、最後まで私に付き合ってくれた彼女の為に出来る事があるなら聞こうと思った。
すると、ディアスは私の正面にやって来て跪き、頭を下げながら言った。
「私を、一緒にお連れ下さい」
「!……っ」
「貴女様達一族に代々仕える執事の代表として、私も最期までご一緒させて頂けませんか?」
「っ……何を、言っているの?」
彼女の申し出に、驚きを隠せない。何故なら彼女は……。