夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
「あ!ママ〜!」
「わぁ〜、ママ!すっごくキレ〜!」
部屋の扉が開いて、支度がすんだ私の元に真っ先に飛び込んで来たのは可愛い二人の我が子。もうすぐ6歳になるヒナタと、4歳になったヒカル。
「ふふっ、ありがとう。
二人もとっても素敵よ!お姫様と、王子様みたい〜!」
今日の結婚式の為にお洒落をしている二人の姿が、いつもとはまた違って可愛らし過ぎて、愛おしくて。私が包み込むように抱くと、二人は嬉しそうに「きゃ〜っ!」と笑った。
その光景を見て、後から入ってきたお祖父様が言う。
「こらこら。そんなにはしゃぐとせっかくの晴れ着が崩れてしまうぞ?」
困ったような口調なのに、その表情はとても穏やかで優しくて……。たくさん心配を掛けて、ずっと険しい表情をさせてしまったお祖父様のそんな表情がもう一度見られた瞬間、私の瞳からは涙が溢れた。
「!っ……アカリ?」
「ご、ごめんなさいっ……」
突然の私の涙に、お祖父様はオロオロと慌てる。私はすぐに"いけない!"と思い、安心させる為に微笑った。
「幸せなの!
幸せ過ぎて、嬉しくて、っ……それで……」
「ーーそうか。
なら、オレが身を引いた甲斐があったな」
慌てて弁解する私の耳に、意地悪そうなのに優しい声がお祖父様の背後から届いた。
視線を向けると、そこに立って居たのはアラン様。