夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
ヴァロンが着て欲しいって用意してくれた白無垢だから、本当は1番に彼に見て欲しかった。
すると、私のそんな様子を察したようにアラン様は溜め息を吐く。
「全く、何をやっているんだ兄上は。……仕方ない、オレが捜してきてやる」
「!……い、いいよ!私は待てるから」
「良くない。大体お前は兄上に甘すぎなん……」
「ーーすみません!
ヴァロンさんなら、今うちの主人とお話中なんです!」
止める私を振り払ってヴァロンを捜しに行こうとするアラン様を止めたのは、とても慌てた声。懐かしいその声に視線を向けると、そこに居たのはホノカさん。
「こちらへ来る途中にヴァロンさんをお見かけして、それでうちの主人がどうしても二人で話したいと……」
「ホノカさん!来て下さったんですね!」
私はアラン様に"もういいから"と目配せをしながら軽く腕をポンポンッと叩くと、申し訳なさそうにしているホノカさんに駆け寄った。