夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】

「全然いいんです!気にしないで下さい。
ヴァロンもきっと、シュウさんと話せて嬉しいでしょうから」

「ありがとうございます。
あ、これ……。ミライからの贈り物です。『本日は出席出来なくてごめんなさい。心からお祝い申し上げます』と、伝言も預かっております」

「!……わぁ〜、綺麗!ありがとうございます」

ホノカさんがミライ君からの伝言と共に渡してくれたのは、彩り豊かな美しいブーケ。
初めて会った時はまだ7歳で小さかったミライ君も、今では14歳の立派な夢の配達人。噂では金バッジになるのも時間の問題で、ヴァロンが白金バッジを獲得した最年少記録を破るんじゃないか?と言われている位の優秀ぶり。
今日の結婚式に参加してもらえないか招待状を送ったが、やはり仕事が忙しかったようだ。残念にも思うが、その成長がまるで自分の子供のように嬉しい。


「アカリさん、おめでとうございます!」

「!……ユイちゃん!」

私がブーケを抱いて微笑みを溢していると、ホノカさんの後ろからひょこっと顔を出してお祝いを言ってくれたのはユイちゃん。その腕には生後半年位の赤ちゃんが抱かれていて、そう、実は彼女もついにお母さんに……。
と言うのは冗談で、その赤ちゃんはシュウさんとホノカさんの娘ノゾミちゃん。幼い赤ちゃんを連れての遠出は大変だから、きっとユイちゃんはホノカさん達と一緒に来てくれたのね。
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