夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
「今度はユイちゃん達の番ね!
今日の式が終わったら、このブーケはユイちゃんにあげるわ!」
「ア、アカリさんっ……」
照れながらも嬉しそうに、ユイちゃんは微笑った。
ユイちゃんが結婚して、もし子供が産まれたらヴァロンはお祖父ちゃん……。そう思うと少し複雑だけど、お母さんを亡くした時に独りぼっちだと思った私にとって、家族が増えて行く事をとても幸せな事だった。
「アカリ〜!来たわよ〜!!」
「!……モニカ!!」
今日の為にモニカも、旦那さんのジェイクさんも、長女ジェシカちゃんに去年産まれた長男のルカ君を連れて駆け付けてくれた。
そして……。
「失礼します。簡単な料理でしたら出来上がりましたので、こちらにお持ちしても……ーーっ!て、アカリ?!」
「ユウさん、ありがとうございます!」
白無垢姿の私を見て固まるのは、今日の為の料理補佐とケーキを担当してくれるユウさん。
ここ数年パン屋さんで店長をしていた彼だけど、その仕事をしながらいつしかパティシエになりたいという夢を抱いていたらしくて。結婚式の報告をしたら"腕はまだまだだけど、良かったらお祝いにケーキを作らせてくれないか?"って、名乗り出てくれたの。