夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
【ヴァロンside】
「……今日は、よろしく頼むな?」
アカリの祖父、アルバート様の別荘の中庭。婚礼用の袴に着替えた俺は、そこに植えられた何本かの"ある木"に話し掛けながらそっと幹に手を触れた。
今日はアカリの25歳の誕生日であり、俺達の結婚式。
一年前の今日。俺達は色んな出来事を乗り越えてもう一度一緒に居られるようになった。が、俺の祖父シャルマが亡くなった事ですぐに結婚式を……と言う訳にはいかなかった。
もうアカリを不安にさせないように、これまで"父親"という存在がいなくて寂しい思いをさせたヒナタとヒカルの為にすぐに籍は入れたが、これと言ったお祝いはずっとなくて……。アカリは「ヴァロンと居られたらいいの!」って言ってくれたけど、これまでのお詫びやお礼も兼ねて、俺はどうしても結婚式をやりたかったんだ。
それに感謝をしているのは、アカリにだけじゃない。今日招いた、全ての人に感謝している。
アルバート様。
アカリの事、会社の事で大変だったのに……。俺が必ず戻ってくると信じて、アカリを励まし支え続けてくれた。
「……今日は、よろしく頼むな?」
アカリの祖父、アルバート様の別荘の中庭。婚礼用の袴に着替えた俺は、そこに植えられた何本かの"ある木"に話し掛けながらそっと幹に手を触れた。
今日はアカリの25歳の誕生日であり、俺達の結婚式。
一年前の今日。俺達は色んな出来事を乗り越えてもう一度一緒に居られるようになった。が、俺の祖父シャルマが亡くなった事ですぐに結婚式を……と言う訳にはいかなかった。
もうアカリを不安にさせないように、これまで"父親"という存在がいなくて寂しい思いをさせたヒナタとヒカルの為にすぐに籍は入れたが、これと言ったお祝いはずっとなくて……。アカリは「ヴァロンと居られたらいいの!」って言ってくれたけど、これまでのお詫びやお礼も兼ねて、俺はどうしても結婚式をやりたかったんだ。
それに感謝をしているのは、アカリにだけじゃない。今日招いた、全ての人に感謝している。
アルバート様。
アカリの事、会社の事で大変だったのに……。俺が必ず戻ってくると信じて、アカリを励まし支え続けてくれた。