夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】

ヒナタとヒカル。
会いたくて会いたくて仕方なかったクセに、愛おしくて愛おしいくて仕方ないクセにどう接して良いのか分からなかった俺を、すぐに「パパ」って呼んでくれて、抱き着いてきてくれた。
俺が父親だと子供達に隠さずに話してくれていたアカリに感謝したのは勿論だが、本当に真っ直ぐで優しい子達に育ってくれた。

アラン。
記憶を失くして不甲斐ない兄である俺を支えてくれて、その間アカリ達の事もたくさん助けてくれた。おまけに、俺の記憶が戻った事も喜んでくれて、俺とアカリが一緒になる事も……自らすすめてくれた。
シャルマ様が亡くなった際。火災に巻き込まれて病院に運ばれた、と連絡を受けた時はアラン(あいつ)を失ってしまうんじゃないか?ってめちゃくちゃ怖かった……。
本当に、無事で良かった。俺の大切な弟。

……それから、…………。


「ーー今日は、とてもいい天気ですね」

「!っ……」

すっかり自分の世界に入り込んでいた俺は、その声にハッとする。
目を開けて視線を向けると、そこに居たのは俺の唯一無二の親友だった。
< 253 / 338 >

この作品をシェア

pagetop