夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
その姿を見て、"治してやりたかった"という後悔も溢れた。それに、お前が見た最後の俺は……。
『ふざけんなッ……!!
お前に任せてた結果がこれだろッ?!』
『っ……もう邪魔すんなッ!!目障りなんだよッ!!』
……なんて、酷い言葉を吐いたんだろう。
言葉には出来ないたくさんの想いが、堪え切れなくて俺の瞳から溢れて頬を伝った。
この瞬間だけは、シュウの瞳に光がない事に感謝する。泣いている事を、悟られてはいけない。
「……今日は、和装をお召しだとお伺いしました」
「!っ……、……はい」
「いいですね。貴方は絶対に、何を着ても似合いますから」
「ありがとうございます」
話し掛けられる度に、声が震えてしまわないように細心の注意を払って受け答えをしていた。これまで培った演技力で、完璧に欺いてみせる。
……けど。そんな俺を前にして、シュウが突然「ふふっ」と声を出して笑った。