夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】

そっと背中に手を回して、彼をギュッと掴む。

「っ……好き」

「うん」

「好き、っ……大好きッ」

ッーー……ダメ。
こんな言葉なんかじゃ足りないよっ。

私の彼に対する想いは、言葉だけでは到底表せなかった。
何度言っても、きっと一生言い続けても足りない。
そんな、もどかしい気持ちで思わず泣きそうになってしまうと、彼が両手で私の両頬に触れて顔を包み言った。

「俺も。例え何度生まれ変わっても、愛してる」

その言葉に、ハッとした。
目を開けると、間近で重なる私達の瞳。

「っ……生まれ、変わっても?」

「ああ。何度生まれ変わっても、俺はお前を見付ける。そして、その度にお前に恋をして、この気持ちを伝え続けるから……」

「っ……」

今世も、来世も、私達の愛は永遠に(ずっと)在るのだと……。私を見つめる彼の真っ直ぐな瞳が伝えてくれる。焦らなくていい、"今だけではない"のだと私を安心させてくれた。

すると、スッと私の心は軽くなる……。


「ーーよしっ!みんなの所に戻るか!」

「っ、うん……!」

私に笑顔が戻ると、ヴァロンは再び私をお姫様抱っこして歩き出した。
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