夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】

「じゃあさ、コレ!一緒に食べようぜ!!」

(実は社長室に入って来た時から気になっていた)背後に置いてあった(まるで◯ber ◯atsのような)大きな保冷バッグをオレ達の間にある机に置き、蓋を開けるとお正月のお節に使う三段の重箱を二つ取り出す。

「……。兄上?これは……」

「ん?見れば分かるだろ?お弁当だよ」

「……。これ、全部ですか?」

「あ、これはおかずな!米系はちゃんと別におにぎりがあるから心配しなくていいぜ!」

「いやっ!気にするところはそこじゃないッ……!」

その昼ご飯とは思えない量(いや、夕飯でも人としておかしい)に呆気に取られるオレの前で、兄上は重箱の蓋をあけて一段ずつ机の上に並べていくと、おにぎりも私と兄上各自5つずつと割り箸を渡してきた。

何処でこんなに仕入れて来たのだろう?

重箱に並ぶおかずはどれも彩り取り豊かで美しく、とても豪華だ。相当良い店で注文したのではないか?と見つめていると、兄上がニコニコしながら言う。
< 293 / 338 >

この作品をシェア

pagetop