夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
***
そしてその夜。
自宅に帰宅したオレは自室に例の女を呼んだ。
兄上に言われた通りの事を実行し、自分の中にあるモヤモヤを解決する為に呼んだのだが……。おそらく女は夜の奉仕と勘違いしているのだろう。さっきからソファーに座りワインを飲むオレの様子を、部屋の入り口付近で立ったまま見ているだけだった。
声が掛かるまで動かないつもりか。それとも、側に来たら食われるとでも思っているのだろうか……。
ハッキリ言って別に今は女が欲しいとは思っていない。今夜呼んだのはあくまでモヤモヤの解決。
さっさと終わらせて、スッキリした気持ちで一人で飲みたい気分だったオレは早々に兄上に言われた通りにしようと決めた。
「おいっ」
「!っ……は、はい」
「これ、やる」
上着の内ポケットから香水の瓶を取り出すと、女に向かって差し出した。すると女は少し戸惑ったようにしたが、ゆっくりと歩み寄って来て、それを受け取る。
「……。こ、これ……私が頂いても、よろしいのですか?」
兄上に言われた通り、オレは渡した後の女の様子をじっと見つめた。
だが、その反応はただ驚いている、という感じなだけで……。そんな女を見ても、オレは何も感じなかった。
そしてその夜。
自宅に帰宅したオレは自室に例の女を呼んだ。
兄上に言われた通りの事を実行し、自分の中にあるモヤモヤを解決する為に呼んだのだが……。おそらく女は夜の奉仕と勘違いしているのだろう。さっきからソファーに座りワインを飲むオレの様子を、部屋の入り口付近で立ったまま見ているだけだった。
声が掛かるまで動かないつもりか。それとも、側に来たら食われるとでも思っているのだろうか……。
ハッキリ言って別に今は女が欲しいとは思っていない。今夜呼んだのはあくまでモヤモヤの解決。
さっさと終わらせて、スッキリした気持ちで一人で飲みたい気分だったオレは早々に兄上に言われた通りにしようと決めた。
「おいっ」
「!っ……は、はい」
「これ、やる」
上着の内ポケットから香水の瓶を取り出すと、女に向かって差し出した。すると女は少し戸惑ったようにしたが、ゆっくりと歩み寄って来て、それを受け取る。
「……。こ、これ……私が頂いても、よろしいのですか?」
兄上に言われた通り、オレは渡した後の女の様子をじっと見つめた。
だが、その反応はただ驚いている、という感じなだけで……。そんな女を見ても、オレは何も感じなかった。