夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
***
しかし、その夜ーーー。
「……なに?体調不良?」
「はい。スズカは今朝から体調が優れぬ為休んでおります」
オレの問い掛けに答えたのは使用人長のエルナ。
帰宅し、いつもならば玄関先に出迎えに集まる使用人達。だが、その中にあの女の姿がなかった。
何か特別な職務でもしているのかと思い、エルナに問い掛けたところ原因を知る事が出来た。
「……そうか、分かった」
そう返事をすると、オレの上着を片付けたエルナは一礼して自分の仕事へと戻って行く。
体調不良。
それは、まあ……仕方のない事だな。
仕方ないーー。
そう頭ではわかってはいる。けど、色々と可愛がってやろうとしたのに、その計画が狂った事が気に入らない。
こんな事なら出張中、真面目に仕事ばかりしないで少しくらいハメを外せば良かった、と後悔した。
別の使用人でも呼ぶか。
そもそも、"オレが求めた時はどんな時だろうがどんな時間だろうが相手をしろ"、それがあの女と結んだ約束だ。
向こうが来られない、相手を務められない、ならば、別に契約違反じゃないよな?
しかし、その夜ーーー。
「……なに?体調不良?」
「はい。スズカは今朝から体調が優れぬ為休んでおります」
オレの問い掛けに答えたのは使用人長のエルナ。
帰宅し、いつもならば玄関先に出迎えに集まる使用人達。だが、その中にあの女の姿がなかった。
何か特別な職務でもしているのかと思い、エルナに問い掛けたところ原因を知る事が出来た。
「……そうか、分かった」
そう返事をすると、オレの上着を片付けたエルナは一礼して自分の仕事へと戻って行く。
体調不良。
それは、まあ……仕方のない事だな。
仕方ないーー。
そう頭ではわかってはいる。けど、色々と可愛がってやろうとしたのに、その計画が狂った事が気に入らない。
こんな事なら出張中、真面目に仕事ばかりしないで少しくらいハメを外せば良かった、と後悔した。
別の使用人でも呼ぶか。
そもそも、"オレが求めた時はどんな時だろうがどんな時間だろうが相手をしろ"、それがあの女と結んだ約束だ。
向こうが来られない、相手を務められない、ならば、別に契約違反じゃないよな?