夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
***
女の部屋を訪れるのは初めての事だった。
静かに部屋に入り扉を閉めると、薄暗い空間の中を進み女が眠るベッドへと歩みを進める。
こちら側を向いた横向きに眠っている女。
少し、熱いか……。
薄暗い場所で顔色までは分からなかったが、その額にそっと触れてみると、微かにいつもより体温が高いように感じる。体調が悪いと言うのは本当のようだ。
ま、今日のところは仕方ないな。
女が起きていて体調が回復していたらワンチャン相手をしてもらえるかと思ったが、今夜はさすがに無理だと悟る。
女から離れて、少しずつ慣れてきた目で部屋を見渡す。
部屋に備え付けの使用人用のタンスの上には、たくさんの動物のぬいぐるみが飾られていた。
そう言えば、ぬいぐるみ作りや手芸が趣味と言っていたな。
一緒に過ごす時間の中で、ほんの僅かではあるが交わした会話の中に出て来た趣味の話を思い出す。
あの時はあまり興味がなく「ふーん」と聞き流したが、実物をよく見るとその出来はかなりの物だと感じた。
女の部屋を訪れるのは初めての事だった。
静かに部屋に入り扉を閉めると、薄暗い空間の中を進み女が眠るベッドへと歩みを進める。
こちら側を向いた横向きに眠っている女。
少し、熱いか……。
薄暗い場所で顔色までは分からなかったが、その額にそっと触れてみると、微かにいつもより体温が高いように感じる。体調が悪いと言うのは本当のようだ。
ま、今日のところは仕方ないな。
女が起きていて体調が回復していたらワンチャン相手をしてもらえるかと思ったが、今夜はさすがに無理だと悟る。
女から離れて、少しずつ慣れてきた目で部屋を見渡す。
部屋に備え付けの使用人用のタンスの上には、たくさんの動物のぬいぐるみが飾られていた。
そう言えば、ぬいぐるみ作りや手芸が趣味と言っていたな。
一緒に過ごす時間の中で、ほんの僅かではあるが交わした会話の中に出て来た趣味の話を思い出す。
あの時はあまり興味がなく「ふーん」と聞き流したが、実物をよく見るとその出来はかなりの物だと感じた。