夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】

「いいか!俺はお前が本気そうだったから力になろうとーー……。って、アラン?どうした?」

お説教口調だったが、頭を抱えて俯き込むオレに気付いた兄上がひょいひょいっと顔を覗き込んでくる。
しかし、オレはそれどころではない。

どうしたもこうしたもないッ……!!
オレ、あの後も何回かあの女の話をしたよなっ?!

兄上が「その後どうだ?」とか会う度に聞いてきたから、深いところまでは話さないにしろある程度の事は答えてしまっていた。
だが、それは相手が分からないと思ったから普通に話せただけで……。相手が誰なのかバレていたのだと思うと、何だか無性に恥ずかしくなってきた。

「……。お前、可愛いな」

「気付いてたなら言ってくれよッ!!」

真っ赤になっているオレの頭をポンポンッと撫でてくる兄上に思わずそう言ってしまって、すぐに"しまった"と、ハッとする。
動揺と恥ずかしさから、ついつい兄上に失礼な言葉を吐いてしまった。気不味くなって再び俯くが、そんな私の肩を兄上がグッと抱いて言った。
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