夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
「何よ、本当の父親みたいな口調で言っちゃって……。
言っとくけど、貴方の息子の嫁にはあげないわよ?」
「そりゃ残念!」
わたくしの皮肉っぽい口調に微笑って、楽しく返してくれる姿が眩しい。
本当に、本当に……。
わたくしは貴方が大好きだったわーー。
「……そうね。
でも、貴方にそっくりな男の子になら……嫁にあげてもいいわ」
心の底からそう思った。
これだけ自分に似ている娘。きっと性格も似ていて、意地っ張りで勝ち気な女の子へと成長するであろう。
そんな娘の相手がヴァロンのような男の子だったら、嫉妬してしまう程に羨ましくて……。でも、とても幸せで嬉しい未来だと感じた。
「アカリさんにも伝えて?
『ヴァロンにそっくりな男の子を産みなさい。わたくしが、娘の婿にもらうから』って」
「ははっ、了解〜。
……あ、でもさ。それはせっかくなら直接お前からアカリに言えよ」
「え?」
「アカリも迷惑じゃなかったら今度お前に会いたいって言ってたし、ヒナタとヒカルも赤ちゃん見たいって騒いでんだよな」
……驚いた。
だって私は、以前アカリさんに酷い態度を取った。"マオ様はわたくしのものよ"と言わんばかりに、戦線布告の態度を取って、彼女を悲しませて、苦しませて……。
わたくしの顔なんて、もう見たくないだろうと思っていた。