夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
「……愛してなんか、ないクセにッ」
「っ……」
「わたくしの事なんて、っ……愛してなんかいないクセにッ!!」
触れてもいないのに、痛い程に彼女の孤独が伝わってきた。愛されたい、って心の叫びが……。
そうしたら……。
僕の瞳から先に、涙が溢れてた。
それを見たミネアさんは一瞬驚いた表情をして……。
けど、また哀しそうに笑って……。
「なんで、貴方が泣くのよ……。
同情なんて、ッ……いらないんだからッ!!」
勢い良くベッドから降りると窓に駆け寄って、窓をあけて窓枠に片足を掛けると、身を乗り出した。
「!!っ……ミネアさんッ!!」
ーー……間一髪、だった。
しっかりと抱き締めて窓から引き離すように引っ張ると、彼女を庇うように自らをクッションにして床に倒れ込む。
そしたら一気に、触れ合っている部分から……。
いや、もう自分が彼女になってしまったかのように気持ちが伝わってきた。
僕はミネアさんが妊娠していると知って、実はほんの少し淡い期待を持っていた。