夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
孤独の辛さも怖さも、知っていた筈だった。
記憶を失くして独りぼっちだった僕を支えてくれたのはミネアさんだったのに……。
僕は、そんなミネアさんを……、……。
『好きな人の傍にいるのに、何か理由が必要かしら?』
『おかしな質問をなさるのね。
わたくしは楽しいですわ!だって、大好きな人と一緒にいるんですもの。
マオ様といられたら、それだけで嬉しいです!』
今でも鮮明に思い出せる、僕があの時"生きよう"と思えた想い出。
あの時ミネアさんがそう言ってくれなかったら、命を絶っていたのは自分の方だったかも知れない。
何も出来ない僕の傍に、ずっと居てくれた。
そんな、無償の愛をくれた彼女を……捨てる事なんて出来ない。
「っ……放してよッ!!」
抱き締める腕に力を込めると、ミネアさんは振り解こうと暴れた。
でも、僕は放さない。
「放してッ……、放して!!」
「っ……!」
更に強く抱き締めて、彼女に何を言うべきか考えた。