夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
愛してるーー。
違う。
そんな飾りの言葉では、僕の気持ちは伝わらない。
僕がミネアさんに強く望む想い。
彼女が欲しい言葉ではないかも知れない。
けど、初めて僕がミネアさんに望む事ーー。
「っ……な、……いでッ」
「っ、……え?」
ようやく僕の口から出た呟きに、ミネアさんの動きが止まる。
僕は彼女の両肩を掴むと、真っ直ぐ瞳を見つめた。
「っ……死なないで、下さいっ」
それは、嘘なんて微塵もない僕の今の本心。
今の僕が、1番望む事。
僕には出来なかった。
目の前の、今消えそうになっている命を見逃して、自分の幸せを望む事なんて……出来なかった。
「ミネアさんがいなくなったら……僕は、っ……悲しいです!」
「……マオ、さまっ」
「いなく、ならないで下さいッ……」
「っ……ぅ、ッ……っ〜〜!!」
ミネアさんは声を殺しながら、僕に抱き付いて泣いた。
鳴き声を上げずに泣くその姿に、僕の胸はまた痛む。