夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
そんなミライにもつい最近、切磋琢磨出来る良きライバルが出来たんです。
その子はシオン君と言って、私の父が今年の初めにある孤児院から引き取ってきた男の子なんですが、ミライに引けを全く取らない優秀な逸材。年齢もミライと同じらしく、すぐに意気投合して、それからは毎日のように二人で一緒にトレーニングや勉強をしています。
まるで、幼い日の私達みたいですね。
父はシオン君を連れて一度隠れ家に戻ってきたんですが、すぐにまた旅に出てしまいました。
どうやらもう一人、捜している人がいるみたいなんですよね。
齢も齢なんで本当は止めるべきなのでしょうが、やりたい事がいくつになってもあるというのは少々羨ましくも思います。
父と同じ年齢になった時、果たして自分にはやりたい事があるのか?と、問われたら今の自分では答えられない気がして……。
君は、どうですか?
きっと「んな先の事分かんねぇよ」って、今を、目の前の事を必死にこなしていくのでしょうね。