夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
「……と、いう訳で。彼女の祖父であるアルバート様の承諾を得ました。
アカリ様には近々私の邸に移り住んで頂き、結婚式の準備を進めて行こうと思っています」
二月上旬。
祖父シャルマの邸に招かれた私は、食事の席でアカリ様との件を報告した。
可愛い孫娘の事、彼女の子供の事、様々な葛藤があった事だろう。アルバート様は約ひと月悩まれた末に、私にアカリ様を任せてくれた。
この報告に、シャルマ様は……。
「うむ、そうかそうか。
お前がまさか、アカリ様を所望するとは思わなかったが……。まあ、いいだろう。好きにしろ」
意味深な笑みを浮かべながらも、意外にもあっさりと受け入れる。
ホッとすると同時に不安も過るが、どんな事があろうとアカリ様を護ると私は決めていた。
「ありがとうございます」
「ふむ。
して、マオ。お前の方はどうなのだ?」
私の話がひと段落すると、正面に座っているシャルマ様は私の隣に座っている兄上に話を振った。