夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
それは、今も忘れもしない私の初恋の想い出だ。
……そうよね。
お会いする前から、身構えていても仕方ないわ。
マオ様のお世話役を任された時も、最初は嫌で嫌で仕方なかった。
けれど、それが今や私にとっては大切な想い出。
奥様も良い方かも知れない!と、私は希望を持つ事にした。
しかし。
気持ちを切り替えて私がお迎えする用意を進めていると、部屋に付ける新しいカーテンを持ってきてくれた使用人達が言う。
「何でもお相手は一度別の男性に嫁いだ事があるらしくて、その方との間に子供がいるんですって。
でも、その子供達を手放してまでここに嫁いでくるらしいわよ!」
「え〜!なにそれ!
子供を捨ててまで自分の幸せを優先したって事?」
「さすがアラン様の奥様になられる方!って感じよね〜」
……とりあえず。
事前情報ではあまり期待しない方がいいかしら?と思った私は、深く考えるのをやめた。
すると、久々に思い出したからか次第にマオ様の事が再び私の中で大きくなる。