夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
「ん〜じゃあ、今日だけ特別!
私がここに来た歓迎会って事ではいけませんか?アラン様には、私からちゃんとお話します!」
「!っえ……?!」
「それなら良いでしょう?アラン様に何か言われたら私が説明します!
って事で、お茶会の準備しましょう!」
それは予想もしなかった言葉と行動。
奥様は笑顔でそう言うと、食事をする際に使用する長テーブルの方へ駆けて行く。
「うん!このテーブルをみんなで囲んで使いましょう!椅子を並べると窮屈だし、逆に省いちゃって立食形式でいいわよね〜?」
そして、驚きのあまりあんぐりする使用人長を気にもせずクッキーの入ったタッパーをテーブルに置くと、椅子を自ら持ち上げ運びだすのだ。
その光景を見てハッと我に返った使用人長は、慌てて駆け寄り奥様から椅子を取り上げようとする。
「お、奥様!そんな事は私達が……」
「大丈夫ですよ!あ、それならクッキーを盛り付けるお皿と、人数分のティーカップを用意して下さい!」
「は、はい!かしこまりまし……。って、違います!奥様?!」
が、奥様は使用人長を見事に交わし、楽しそうに椅子を運びながら私にも指示を出す。