夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
1月1日ーー。
年が明けた。
今日からまた新しい1年が始まる。
これをキッカケに心機一転して、ガラッとこれまでの自分を変えようとする人もいるだろう。
私も、その1人だ……。
「ーーッ……。
ア、アカリ?何を言っているのだッ、……ほ、本気なのかっ?」
新年の挨拶に本邸を訪れた私達の話を聞いて、お祖父様はものすごく驚いた。
それは、そうだよね……。
客間でテーブルを挟んでソファー席に座るお祖父様の正面には私が座り、その私の横には今アラン様が居る。
そして今日は……。
「はい、決めました。
私は……こちらにいるアラン様との縁談を、進めようと思います」
大事な大事な、報告に訪れたのだから。
お祖父様は、驚きの中に悲しみがあるような……。今までに見た事のない表情で、私を見つめている。
大丈夫よ。
私はそんな気持ちを伝えるように、微笑んで見せた。
だって、私も前を向いて進みたいんだもの。
大好きな、あの人みたいに……。