ただ隣にいて欲しい


先生から言われた通り、紙を束にしてまとめていく。

意外と手間がかかる。

ガラっと扉が開く音がし、誰かが入ってきた。

もう部活が始まっているから、きっと忘れものだろう。

そう思い、黙々と作業を続ける。

「学級委員の男子休みでしょ。手伝うよ」

と言い、私の隣で冊子を作り始める。

「秋山君、部活はいいの?」

そう、彼は私と同じ水泳部。

今日も通常通り部活があるはずだが。

「一人じゃ大変でしょ。気にしないで」

私はその優しさに甘えることにした。

「ありがとう」

と言い感謝の気持ちを込め、微笑んだ

秋山君は驚いたようにぴきっと体を硬直させた。

しばらくして、

「あっごめん。始めようか」

と急に我を思い出し作業を始めた。

不思議に思ったが特に気にせず、

私も作業を始めた。


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