ただ隣にいて欲しい


責任感が人1倍あった凌空だから、

中途半端が嫌いって知ってたから、

分かってたから、言えなかったな。

お互い受験生だったから、勉強に専念するのは当たり前。

だから連絡取る回数減ってきっと寂しかったよね。

もともと私既読遅かったし、反応も冷たかったから

寂しい思いさせたよね。

辛かったよね。

だから私は別れを告げられても、止めることができなかった。

凌空にはもっとお似合いな人がいる。

私とじゃ釣り合わない。

別れが凌空の幸せにつながる。

そう思い恋人からクラスメイトになった。


私は自分が思っている以上に凌空が好きだった。

私だけに甘えてくるところも、

誰よりも私を気遣って心配してくれるところも、

私の努力や夢を一番認めて応援してくれた凌空のこと

誰よりも好きになっていた。



中学を卒業して、別の高校に進んでも、

想いだけは変わらない。

私の好きな人。

大好きで、愛おしくて、忘れられない人

でもね、もしかしたら恋じゃなくて執着じゃないのかなって。

って思う時もある。

だから私は少しずつ前を向きたい。

ゆっくりでいいから、休んでも、立ち止まっていい。

何年か先淡い思い出にできるように。

たとえ今は無理でも。



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