Karma
響介は私の隣で横になる。私は響介に背を向けたままだ。
シングルのベッドだから、二人で寝ると狭い。
「こんなに辛そうなメイを見ると、俺が無力だって実感する」
背中越しに響介は言う。
「俺にできることがあれば、なんでも言ってほしい。少しでも、メイを癒したいから」
響介の言葉に、また涙があふれそうになる。
無力なのは私の方だ。
結局私は、美花を救えなかった。
「抱きしめて」
私が言う。
「頭が真っ白になるくらい」
響介は何も言わず、私を毛布でからめる。
そのうえから、ギュッと抱き締めた。
「こんなことにしか、俺にはできない」
「優しいね、響介」