Karma
私の問いかけに、桜ちゃんはニコッと笑う。
そしてブラウスのボタンを外す。
「私は契約者だけど、喰喰ちゃんじゃないよ」
桜の胸元に魔方陣。檻のようなデザインだ。
「だけど喰喰ちゃんに特に気に入られてるから特別強い力を得たんだ」
一太郎君の体が浮き、そのまま地面に叩きつけられる。一太郎君は気絶する。
「メイさんが喰喰ちゃんの命を狙うなら、私だって容赦しない。私、喰喰ちゃんの親友だからね」
地面に亀裂が入り、コンクリートの塊が宙に浮く。
そこに回転が加わり、弾丸のように私と祐希を襲う。
「祐希、危ないっ!」
祐希を押し、間一髪で祐希は弾丸の軌道から外れる。
私も逃げないと……けど、避けきれない!
コンクリートの弾丸は、屋上のフェンスを吹き飛ばす。
目を開けると、誰かが私を守るように覆い被さっている。
「メイ、大丈夫かい?」
「響介!!」