Karma
桜は目を見開いたまま、真っ青な顔で黙った。不気味なほど長い沈黙のあと、


「覗くな。私の心を……覗くな、覗くなぁ!!」


頭をかきむしりながら、桜は叫んだ。


同時に、部屋にあったものが宙に浮き、私に襲いかかる。


私はそれを避けながら、桜の視界に入らないように動きまわる。


「どこよ!? あんただけは殺してやる!!」


屋上で桜を観察して、三つ分かったことがある。


ひとつは重力の力の弱点。


あれはおそらく、見えない対象は操作できない。だから桜の視界から逃げ続ければ、操られることはない。


それと心の声をきく力。あれをするとき、桜は対象に自分から歩み寄ってた。


推測だけど、読める範囲は1m程度なんじゃないだろうか。


そして、最後の弱点は……
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