Karma
「そっか! 私の能力の弱点を見抜いたんだね! さすが首席で入っ天才だね! でも、関係ないんだから!」
桜は目玉から血が吹き出し、白目が赤くなるほど瞳を充血させ、力を込めた。
するとまるで部屋が無重力空間になったように、物が浮き出す。
さらには天井や壁まで剥がれ、宙に浮いてしまった。
「耳の能力だってそう! まだ全力じゃない! 本気を出せば、ここにいる全員の声だって一気に」
桜ちゃんの耳から、血があふれる。
「桜! それ以上、能力を使わないで! じゃないと、あんたは取り返しがつかないことになる」