Karma

そう言っても、桜は言うことをきかなかった。


能力を使い、私や元クラスメートたちの声をきく。


桜がみんなから何をきいたのかは分からない。


けど、一瞬で顔が真っ青になると、


「うあっ……!」


耳から大量の血を吹き出し、桜は倒れてしまった。


宙に浮いていたものも、地面に落ちる。


「あんたの能力には使用制限があったんだよ。心の声は聴力を、重量は視力を代償にね。目と耳の血は、各部位が悲鳴をあげてた証拠だよ」


桜は私のことを目で追っていたけど、声はきこえていない様子だった。


ただ突然、音を失ったことに混乱したのか、涙を流した。
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