Karma

手話を勉強していない桜にも、私の気持ちは伝わったんだと思う。


桜は涙を流しながら、私に抱きついた。


「メイさん、きいて。喰喰ちゃんを倒すには、どんな武器を持ってもダメなの。だけどひとつだけ、倒す方法がある」


「え?」


「探すの。喰喰ちゃんの」


言いかけたとき、桜の目から、光が消えた。


何かが落ちて、返り血を顔に浴びる。


桜は首を切断され、こと切れた。


「残念よ。桜なら私の理解者になれると思ったのに。結局、他の人間と変わらない」


喰喰が私のもとに歩み寄る。


喰喰は自分の秘密を明かそうとした桜を、何のためらいもなく殺したのだ。


「なぜ? そんなに簡単に人を殺せるの?」
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