Karma
「人間という生き物が、たまらなく嫌いだから」
喰喰は私に手をかざす。
「あなたもいい加減目障り。もう消えて」
桜とは、比べ物にならないほどの圧を感じたかと思うと、私の体は吹き飛ばされ、窓の外へと投げ出される。
「うわぁあ!!!」
落下する。地面がどんどん迫ってくる。
その時、誰かが私の手を握る。
「響介!」
手袋ごしに握られたその手は、がっしりと私を支えた。
「よく頑張ったね。メイ」
下の階のベランダから体を乗りだし、私を受け止めてくれたのだ。
「早くしてくれません!?」
「腕が取れちゃうよ!」
響介の体は、一太郎君と祐希が支えていた。
洋館には、たくさんの黒い高級車が集まってくる。
引き上げられた先で、私は信じられないものを見た。