Karma
響介はお屋敷の庭にある花園で、白いベンチに座り、空を見ていた。
「今日から始まった日は、ようやく君との新しい時を刻んでいるんだ。俺はこの瞬間を、ずっと待っていたよ」
響介は太陽に照らされながら、ニコッと笑う。
「響介がなぜ私に触れられないのか、なんとなく分かった気がする」
私が言うと、響介は下を向き、足元の石をけった。
「そうさ。俺は過去に、喰喰と血の契約を結んだ。時をループする前にね」
この日はじめて、響介は自らの過去を語った。