Karma
見つかった!
急いで物陰に隠れる。
「穢らわしい。私の聖域に、人間が紛れ込んでいる」
喰喰は私の方へ歩いてくる。
その髪は、生き物のように伸び、安置室を覆う。
殺される。
恐怖で全身に悪寒が走る。
そのとき後ろから、誰かの手が伸び、私の口を隠す。
「息をしないで」
現れた凪が、小声で言う。
「私に触れている間、喰喰はメイの存在を感知できない。私の存在は喰喰の能力を無効化できるから」
じっと耐える。
喰喰は私のいる直前まできて、後戻りする。
「今のうちに」
私と凪は急いで病院を出た。