Karma
「前に響介と夜中に二人で会う約束してたから。もしかして、響介が好きなんじゃないかなって思って。普通、てか、凪みたいにガード固そうな子は特に、好きでもない男と、そこまで親密になろうとしないでしょ?」
私が言うと、凪はさらに顔を真っ赤にした。
普段は無表情だから、そのギャップが意外過ぎる。
「メイだって、響介のこと、好きなんでしょ? 同棲してるって噂だし。あと、態度で分かる」
「同棲は、手違いって言うか」
私が言うと、凪は恥ずかしそうに口を開く。
「私は、響介のこと好きよ」
凪が言うのと同時に、遊園地で花火が上がった。
私はじっと凪の瞳を見たあと、
「私も、好き」
誰にも言ったことのない、秘密を口にする。
「じゃあ私達、ライバルなの?」と凪。
「かもね」
なんだか可笑しくなってきて、私と凪は笑いあった。