Karma

その一言で、私は、どうにでもなれ、という気持ちになってしまった。


目を閉じ、彼に身を任せる。


そのとき、


「こんばんはー! お邪魔しまーす!」


祐希がドアを空け、顔をのぞかせる。萌華ちゃんと空君、一太郎君もいた。


「……え? 何してんの?」

「いや、これは、ちが」


一気に理性を取り戻した私達は、一瞬で距離を取った。


何してたんだろう私。響介に触れたら、死んじゃうかもしれないのに。


祐希の後ろには、隠れるように凪の姿もあった。


心なしか、不機嫌そうだった。
< 156 / 250 >

この作品をシェア

pagetop