Karma
一ノ矢響介


「ふぅ……」


男を縄で縛り上げ、目隠しをさせ、私は男の財布からお金を取り出す。


中身は一万円札が十枚。これで手に入るなら、安いものだ。


「君、悪い子だったんだね。子供のくせに大人から金を奪うなんて。あ、もしかして、住む家も家族もないとか?」


男の一言に、ピクリと眉が上がる。
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