Karma
朱実は俊太郎に裏切られ、同じ凪瀬高校の生徒達に捕らえられた。
そして、酷い拷問を受けた。
昭和51年7月14日。朱実は災害で荒れ果てた海岸に信者達の手で全身を鉄の棘で巻かれ、磔にされると、火をつけられ、絶命した。
炎で焼かれる中、朱実は一言も声を発しなかったが、ただ最後に、一筋の涙を流した。
その日の夜、死んだはずの朱実は、人々の前に姿を現した。
朱実は自分を拷問した人達や、教祖、信者を含め、百人近い人間を一晩で殺した。
命乞いをする凪瀬高校の教師達を前に、朱実は言う。
「死にたくないのなら、これから毎年、凪瀬高校の四組に入学する生徒をひとり、生け贄として私に捧げなさい」