Karma
私はシャンプーを手に取ると、ちょっとだけ悪い考えが浮かんだ。
腕まくりをし、ズボンもまくると、私は「わぁっ!」と大きな声を出して、お風呂場に突撃した。
「メイっ? どうしたの?」
「髪洗ってあげようと思って」
「え、それはちょっと恥ずかしいな」
珍しく響介が赤くなった。この反応、見たかった。
「ちゃんと手袋もしてるからさ、上手いんだよ私」
バスチェア座る響介の後ろから、シャンプーを使い、髪を洗う。
細くて柔らかくて、猫の産毛のような髪質だ。
体つきは細く見えるけど、けっこう筋肉があって、背中も広い。
自分から突撃したくせに、異性と感じてしまって、ドキドキしてしまう。