Karma

海岸を私は、涙を流しながら走った。


月明かりが、海を神秘的に照らす。


絶対に振り返らない。


意地でも前に進んでやる。


家から何発銃声が響こうとも、私は振り返らなかった。


やがて私は、千年杉の前にたどりついた。


顔は真っ赤で、涙でくしゃくしゃ。


祐希に心配されると思ったけど、待っていた祐希も目が赤くて、泣いたあとがあった。


「メイ、何かあったの?」

「響介が…」


私は祐希に響介のことを話した。
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