Karma

「やっぱりダメだ。行けばあいつらに殺されるだけ。それより今は、生け贄を破壊しないと」


グッと涙を堪え、前に進む。祐希もためらいながら、私についてくる。


「きっと響介も、それを願うはずだから」


追っ手にばれないように動きながら、祐希は本館に手をあてる。


「ダメ。ここも違う」


次は西校舎。祐希も顔が青白く、体力的にも厳しそう。


もしかして、そもそも学校には死体がないのかもしれない。


そう思ったけど、西校舎に触れた途端、祐希はハッと、目を見開く。
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