Karma
その時だった。
「うぐっ!」
男の一人が、地面に叩きつけられた。
「なんだ、テメェは!?」
どうやら、もう一人誰か来たらしい。
その男は私と同い年くらいの青年だった。
ベビーフェイスで、整った顔立ち。
栗色の柔らかそうな髪。キレイな肌。
とても喧嘩が強そうには見えないのに、何回か瞬きする間に、その青年は男たちを地面に沈めてしまった。
「大丈夫かい? メイ」
青年は倒れている私を起こし、肩を抱きながら、頭の傷口を押さえた。
「なんで、私の名前を…?」