Karma

その時だった。


「うぐっ!」


男の一人が、地面に叩きつけられた。


「なんだ、テメェは!?」


どうやら、もう一人誰か来たらしい。


その男は私と同い年くらいの青年だった。


ベビーフェイスで、整った顔立ち。


栗色の柔らかそうな髪。キレイな肌。


とても喧嘩が強そうには見えないのに、何回か瞬きする間に、その青年は男たちを地面に沈めてしまった。


「大丈夫かい? メイ」


青年は倒れている私を起こし、肩を抱きながら、頭の傷口を押さえた。


「なんで、私の名前を…?」
< 21 / 250 >

この作品をシェア

pagetop