Karma

メイは半信半疑で儀式をし、病室に喰喰を呼び出した。


「ならば代わりに、メイには家族の命を差し出してもらう」


喰喰はメイに言う。


「家族の?」


「ええ、そうすればあなたの病気は完治する」


「そんなの、できないよ」


「じゃあ、このまま死ぬ?」


メイはうつむく。頭には、色々な思いがぐちゃぐちゃに混ざり合う。


明日は退院の日。みんな私がもうすぐ死ぬことを分かっているはずなのに、


「よかったね。これからはずっと一緒だよ」


なんて笑って、嘘をつく。


なんで? 笑ってるの?


私が死ぬのが、そんなにうれしいの?


「メイ、どうするの?」
喰喰がせまる。
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