Karma

「いいよ」
メイは、涙を流しながらこたえる。


「もうどうなってもいい。私の命を助けて」


次の日の夜。メイは黙って、家族が喰喰に殺されるのを見ていた。


「お姉ちゃん……助けて」


喰喰に喰べられながら、和哉が手をのばす。


「違う。これは私のせいじゃない」


メイはそんな過去を封印するかのように、全ての記憶を喪失する。


そして気がついたときには、メイは一示に助けられ、裏社会の住人として生きていたのだった。
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