Karma



記憶を取り戻した私は、その場で動くこともできず、呆然とたたずんだ。


「全ては、あなたが望んだ悲劇だった。あなたが助かるために、私と契約したから、あなたの家族は死んだの」


それなら、


私が今まで喰喰を追ってきたのは、何のためだったの?


本当に復讐するべき相手は、喰喰じゃなくて。


「あなたの家族を殺したのは私じゃない……あなた自身だったのよ。メイ」


その言葉に、私は喉がつぶれるほどの叫び声をあげ、走り去った。


祐希は涙を流し、私を見ていた。


その目は多分、私への失望でいっぱいだっただろう。
< 213 / 250 >

この作品をシェア

pagetop