Karma



気がつくと私は、響介と暮らす前に寝床にしていたホテルにいた。


ブルブルと体の悪寒が止まらない。


毛布をかぶり、光を遮り、ひたすら恐怖に耐える。


「私が家族を殺した。私が」


ふとベッドに、割れたガラスが落ちているのがみえた。


そうだ。これで首を切って死ねば、楽になれる。


私はガラスを手に取り、かまえる。


こんな私を、響介や祐希が許してくれるはずない。


家族を犠牲にして生き延びた私なんて、生きてちゃいけない存在なんだ。


そう思い、首を切ろうとした直後、


スマホのバイブ音が鳴り響いた。
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