Karma
それが、病気を克服した代償だった。
けれどそれも、今思えば、俺にぴったりの代償だったのかもしれない。
俺は結局、君に否定されることが怖くて、二十歳で死ぬからと言い訳して、君に想いを伝えることから逃げていたにすぎなかった。
そんな間違いだらけで、臆病な俺が、君に触れて、君を愛する権利なんて、あるはずがない。
正直に言えば、君に俺の願いのことを話せなかったのも、そんな臆病な俺を、勇気に溢れている君に打ち明けて失望されるのが怖かったんだ。
だからせめて、君が間違いを犯さないように、側にいて見守ること。
君を喰喰から守り、未来を生きる希望を与えること。
それが終われば、俺は君のもとから消えようと思っていた。
だけどメイ。
君と過ごした日々が、どれほど愛おしかっただろう。
君が俺に、どれほどの幸せをくれただろう。
俺にとって、メイはかけがえのない光だ。
どの世界線に行こうとも、俺が何者であろうとも、それだけは、変わらない真実だった。