Karma
「メイっ……」
「祐希!」
祐希は椅子に縛られていた。
足元には薪。体は濡れているし、変な臭いがする。……ガソリン!?
祐希の周りには、仮面をつけた男達が群がっている。
男のひとりは松明を持ち、火が燃えている。
「邪魔者は、喰喰様の意思のもとに殺せ」
男達が私に襲いかかる。
袖からナイフを取りだし、男のひとりの太ももを突き刺す。
「大丈夫。殺しはしない」
松明を持つ男の鳩尾をナイフの柄で殴る。
右、左からも襲う。
右は蹴りをアゴに食らわせ沈め、左は殴る力を逆利用し、窓の外に放り投げた。
「動けなくするだけだよ」
ガソリンに引火しそうになった松明を、ギリギリで受け止める。
「おまたせ。祐希」
「よかった、来てくれるって信じてた」