Karma
縄をとくと、祐希は私の手を握りしめた。
私は居たたまれない気持ちで、祐希の瞳をのぞく。
「私の記憶、見ちゃったんだよね」
私が言うと、祐希の表情から笑顔が消える。
「私は取り返しのつかない罪を犯した。祐希にもずっと、嘘をついてきたようなものだから。私のことが嫌いになったなら、祐希はもう、私と関わらなくても」
言いかけると、祐希は私を抱き締めた。
「もう、自分を責めなくていいからね」
祐希の言葉には、確かな温もりがあった。
「小さかった頃のメイが、自分が生きたいって願ったことは、きっと罪なんかじゃないよ。それに何があっても、私にとってメイはメイだから。
今ここでメイが生きてくれていること、そして私と友達になってくれたこと。それだけで十分過ぎるくらい、私はうれしい」
自然と涙が、ほほを伝った。
「ありがとう。祐希」