Karma
驚きのあまり、私は目を見開く。
「なぜ、そのことを? 私ですら、家族のことはついこの前まで忘れていたのに」
響介は真剣な表情で私の目を見つめる。
「喰喰の手がかりを、つかんでいるのだろ?」
私はうなずく。
「五年前に、あいつは凪瀬高校の制服を着ていた。そしてつい最近にも」
喰喰と再会したのは、ほんの数ヶ月前のことだ。
町を歩いていたとき、私はとある野外のカフェで、奇妙な光景を目にしたのだ。